2020年07月21日

ホテルの壁面レリーフ

今月15日に、東京都品川区にワイヤーズホテル品川シーサイドがオープンしました。
当ホテルのフロント背面にある壁面レリーフを作らせて頂きました。

サイズは幅3200mm、高さ1300mmという大型のもの。
私の仕事をよく知る設計士の方から、組手などの特徴を活かして存在感のあるものにという依頼で始まりました。

普段の家具作りとは異なる壁面レリーフというもの。
先ずは大きなフレームを作ることからスタートしました。
壁面に固定する際、上下にL型のアングルを配置してそこへはめ込むということから、
全体が撓んでしまうと、現場で取り付けに支障が出ることか予想されます。
家具製作の延長で上手くまとめて、コンパネを貼って全体の剛性を高めて準備完了です。

次はいよいよレリーフ本体の加工です。
当初、数種類の材を使って、色の変化を活かすということを考えたのですが、
色が多すぎてバラバラな感じになるのは良くないという指摘を受けました。
結果、基本的な材はタモで統一して、契りにウォールナットを用いてアクセントするに留めました。
同じタモでも木目の違い、色の違いなどバリエーションがあるので、それを活かすことにしました。

それが決まれば、材を削りランダムなパーツを作りながら、フレームにはめ込んでバランスを取りつつ、
固定していくという作業の繰り返しです。材の収縮や膨張を考慮して、材同士の接着はせず、すべて背面となる合板への固定に留めました。
この加工は家具作りとは異なり、なかなか面白いものでした。

納品当日は、専門の施工業者さんがスタンバイしてくれていましたので、私は見守りつつ、
最後の補強が終わった後、その部分を隠す板を貼るだけでした。
狙い通りに統一感もあり、存在感もあり、無垢材の家具の存在感がそのまま壁面に現れたような感じになり、自分でも満足でした。
そして、ホテルの方や施工業者の方も喜んで頂いていると聞いて、ホッと胸を撫で下ろしました。
素敵なお仕事の機会を頂きまして、設計士のKさん、本当にありがとうございました!

皆様もワイヤーズホテル品川シーサイドへ行く機会がありましたら、フロントの背面をぜひご覧くださいね。
https://www.wires-hotel.com/shinagawa-seaside/facility/

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2020年07月19日

お仏壇と茶道具展、始まりました!

お仏壇と茶道具展が昨日からスタートしました。
一見すると全く相反するテーマが並んでいるようですが、
例えば茶道具の茶器を、小さな骨壺と見立ててお仏壇に入れる、などの使い方もあることから、
企画展としてまとめました。
また、昨今のコロナ騒ぎもある中での展示会ですので、テーマを絞り、本当に興味ある方だけが来てくれれば良いという思いもあります。

お仏壇はここ数年、反響のあったものや新作を12点。
いずれも一見するとお仏壇には見えず、コンパクトでおしゃれなキャビネット風なので、
リビングなどに置くことができるものです。
日常的にご先祖様に手を合わせる習慣は、とても大切なことと思いますので、
暮らしの空間に取り込めるものであることはポイントです。

茶道具では新しいチャレンジをしています。
正八角形をベースにした茶器や薄器、振出に茶筅筒、茶巾筒。
抽斗のついた煙草盆。
アクセントの効いた茶人の箱。
自分の感覚を頼りに創り上げたものが、お客様にどのように映るのか。
茶道を経験されている方、茶道に未知の方、双方の反応が楽しみです。

全日、清水が在廊しております。
皆様のお越しをお待ちしております。

名称:お仏壇と茶道具 〜清水泰 木の仕事展〜
会期:7月18日(土)〜26日(日)、会期中無休
時間:10:00〜17:00 ※ご連絡頂ければ時間外の閲覧も可能です。
場所:Gallery ZEROSSO
   〒408-0033 山梨県北杜市長坂町白井沢1022
問合せ:090-6102-6656(清水携帯)

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posted by YASUSHI at 06:06| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月12日

タモのお仏壇「宇宙へ」

二つの箱がくっついて、右半分が上にスライドした構造。
観音開きの扉を開けると、左右に仕切りはなく、繋がった一つの空間。
一見すると、「何これ?」という印象だが、
いつしかコンパクトなお仏壇として定番のデザインとなっている。

ここ数年、お仏壇を求める方からは、コンパクトでリビングに置いて違和感なく、
お仏壇に見えないもの、という希望を聞くことが多い。
一見すると不思議なキャビネット風のこのデザインが、
ご希望にピッタリとはまることがあるのである。

サイズや木の種類、扉のデザインなどでバリエーションはあるが、
ここで紹介するのはタモのお仏壇。
素直な木目の本体に、派手な木目の板を扉の鏡板に使ってアクセントに。
同じタモでも、木目のバリエーションも豊富である。
取手にはウォールナットを使ってコントラストをつけています。

この右側がスライドしたデザインは、天国へ召せられて、
という印象があり、「宇宙へ」というタイトルに繋がっています。
その昇った印象を保つため、浮いた部分に足などを付けずに、
土台の延長で支えています。

また、扉と本体にはマグネットが仕込んであり、閉めるとパタンと収まります。

段違いの空間を活かして、右にお位牌、左に写真や遺品を置くのも一つ。
奥様が、「私が右の上で、主人は下ね」といった冗談?を聞くこともままあります。
あなたなら、このお仏壇をどのように使いますか?

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