当ホテルのフロント背面にある壁面レリーフを作らせて頂きました。
サイズは幅3200mm、高さ1300mmという大型のもの。
私の仕事をよく知る設計士の方から、組手などの特徴を活かして存在感のあるものにという依頼で始まりました。
普段の家具作りとは異なる壁面レリーフというもの。
先ずは大きなフレームを作ることからスタートしました。
壁面に固定する際、上下にL型のアングルを配置してそこへはめ込むということから、
全体が撓んでしまうと、現場で取り付けに支障が出ることか予想されます。
家具製作の延長で上手くまとめて、コンパネを貼って全体の剛性を高めて準備完了です。
次はいよいよレリーフ本体の加工です。
当初、数種類の材を使って、色の変化を活かすということを考えたのですが、
色が多すぎてバラバラな感じになるのは良くないという指摘を受けました。
結果、基本的な材はタモで統一して、契りにウォールナットを用いてアクセントするに留めました。
同じタモでも木目の違い、色の違いなどバリエーションがあるので、それを活かすことにしました。
それが決まれば、材を削りランダムなパーツを作りながら、フレームにはめ込んでバランスを取りつつ、
固定していくという作業の繰り返しです。材の収縮や膨張を考慮して、材同士の接着はせず、すべて背面となる合板への固定に留めました。
この加工は家具作りとは異なり、なかなか面白いものでした。
納品当日は、専門の施工業者さんがスタンバイしてくれていましたので、私は見守りつつ、
最後の補強が終わった後、その部分を隠す板を貼るだけでした。
狙い通りに統一感もあり、存在感もあり、無垢材の家具の存在感がそのまま壁面に現れたような感じになり、自分でも満足でした。
そして、ホテルの方や施工業者の方も喜んで頂いていると聞いて、ホッと胸を撫で下ろしました。
素敵なお仕事の機会を頂きまして、設計士のKさん、本当にありがとうございました!
皆様もワイヤーズホテル品川シーサイドへ行く機会がありましたら、フロントの背面をぜひご覧くださいね。
https://www.wires-hotel.com/shinagawa-seaside/facility/